窓のガラスを取り替える技術はかなり奥が深い
ガラスの歴史は非常に古く、紀元前4000年のエジプトやメソポタミアにおいて高価な装飾品として珍重されていたようです。さらに天然のガラスについて考えた場合、石器時代に利用されていた黒曜石の矢じりなどがあり、もはや人類の歴史とともにあるといいても良いほどです。実際、ガラスの成分である珪砂、ソーダ灰、石灰の組成についていえば、まさに地球の地殻とほぼ同じ組成比であるため、環境負荷が全くない化合物と考えられています。
そうしたガラス製品が窓にはめ込まれ、採光のための道具として使われるようになったのは、古代ローマの時代とも言われます。その後も教会の窓や貴族の食器類に使用されていたぐらいで、庶民が日用品として利用するようになるのは、技術革新が起こった産業革命以後でした。
日本でも昭和の初期にようやく一般家庭の窓にガラスが使われるようになってきましたが、いまではありとあらゆる建造物に使用されるようになりました。ところで断熱効果や遮音効果など、さまざまな用途に特化した窓ガラスが登場していますが、実際に気にいった窓ガラスがあったとしても、それを自分の手で交換することはまず不可能です。そもそも窓ガラスの現物をどこかで購入しようと思っても、売っている場所すらまずないのです。
【住宅用】サッシ・ドア性能情報データベースについて – YKK AP株式会社
実はその起源や歴史と同じくらい、窓ガラスの交換技術は奥深いものがあります。ここで少し紹介しましょう。
窓ガラスにはアルミなどのサッシが付属していますが、これは埋め込み式のビスによって固定されています。丸いゴム製のキャップのついたビスを外すとサッシの枠の一部が緩むので、これを外してガラスを取り外すことになります。このとき窓ガラスの固定に使われている紐状のゴム部品、グレイジングチャンネルを外し、新しい窓ガラスの同じ位置に取り付ける必要があります。これらすべてを手作業で行うわけで、やはりプロでなければ難しいというのが実情というわけなのです。